のむけはえぐすり 第3弾;第1回韓国旅行 その12006年03月01日 15時18分06秒

第1回韓国旅行 その1
初めて韓国に行ったのは、8年ほど前の夏休み、友達Aさんと二人のツアーであった。それだけで、旅行の目的はただモノではないと疑われた。
「一流ホテルでも、女性が尋ねてくるそうですね」
旅行に行く前、悪い友達の昔話と混同しながら、そんな時はどうすると、二人で期待半分、怖いモノ見たさで真剣に相談した。
明洞(ミョンドン)の某一流ホテルに行っても、ロビーにいる女性達が全てその種の女性に見え、意味もなく恐れた。

ガイドのキムさん(女性)と食事に出かけることになった。おきまりの日本人ツアーの行く韓定食はハナから(これが一からという韓国語だと気づいたのはもっと後のことだった)望んでいなかった。
「キムさんが、いつも食べているところに連れって行ってください」と頼んだ。そんなところはつまらないでしょうというキムさんと、しばらく押し問答の末、
「それでは昨日会社の人と行ったところに行きましょう」と、案内されたのは、ミョンドンの中程の横道に入った間口1間ほどの食堂だった。
海鮮鍋の最後に焼きめし風にしたご飯がどうにか食べられた。旅行に第1日目にして、すでにあの辛さと、ニンニクと唐辛子の入り交じった匂いに食傷気味なっていた。
キムさんが私にメクチュ(ビール)を継ごうとすると、「イイですよ、韓国の女性は恋人以外には、お酒を継いだりしないと聞いていますから」と断った。自分の普段の店に来ているキムさんに申し訳ないという気持ちだった。
「そこまで勉強なさっていらっしゃったのですね」といわれ、初めてほめられた小学生のように面はゆかった。

「ところで、これからですが・・・・」
さんざん韓国と日本の文化の違いなどを話した後に、こう切り出した。キムさんは一瞬、いよいよ来たかと身構えるのが分かった。
「できたら、キムさんがいつも飲みに行っているところに連れて行ってほしいのですが・・・」
「エッ!?」という予想外の申し出にとまどっている風だった。
「私はてっきり、キーセンに案内するようにいわれるのかと思っていました」
それまでは、男二人、日本人。ドウセ、こいつらもいずれ同じと、半信半疑だったらしい。
また、何度か押し問答の末、「私の友達が今、ロッテホテルでお見合いをして、チョンノに飲みに行っています。私も彼を見たいので、そこに行きましょう」

チョンノまでは、15分ぐらい歩いた。そこは、日本の笑笑のような若者が集まる居酒屋だった。ジンロの水割りを頼むと、「韓国の男はそんな飲み方はしません、ストレートだけです」といわれ、従うことにした。そのストレートさえまだ序の口、もっと強烈な飲み方があることを知ったのは、数年後だった。

「なかなかいい人みたいでしたヨ」
2階の友達がいる席に挨拶に行って来たキムさんが教えてくれた。

韓国旅行の第1日目。いきなり韓国の生活に触れたような気がして大満足の一日だった。
キムさんにホテルまで送り届けてもらった。ホテルのロビーは閑散としていた。
女性に話しかけられないようにコワゴワ、キョロキョロしながら部屋に帰った