のむけはえぐすり第10弾 メバルの話(改訂版)2006年04月09日 17時59分47秒


第10弾  メバルの話 

 魚偏に春はサワラだが、春告魚と呼ばれる魚としてはメバルの方が有名だ。フライペンでもこの時期、煮魚として出される。タケノコメバルという種類もあるが、タケノコが出回る春先のメバルを、総じて、タケノコメバルと呼んでいる。

フライペンの煮魚の素材に対するこだわりはすごい。週二回、三浦まで買い出しに出かける。当然、魚屋の方でも心得たもので、フライペン様御用達のように、魚が別に振り分けられている。一にキンキ、二にカサゴだが、キンキはこの時期、北海道の厚岸が流氷に覆われるので、品薄になる。カサゴも好不漁が激しい。そこでメバルということになる。
実は、メバルはキンキやカサゴと同じ、カサゴの仲間だ。その中では、脂が少なく、やや淡泊な味わいだ。そのため、フライペンでもやや甘く、濃い目の味付けにしているようだ。

体が赤い鬼カサゴと沖メバルは別として、カサゴとメバルが並ぶと、区別がつかない時がある。
まずは、色も薄くスラッとしている方がメバルだが、服を着ているわけではないのに、一見して分かるほど単純ではない。
次に、目を比べる。目張(メバル)というぐらい、目の大きい方がメバルだが、カサゴの方にも結構、目の大きな美人がいる。そうなると、魚の鼻のあたりが瘡っかきのようにガサガサしている方がカサゴで、その反対がメバルということで落ち着く。写真は上のやや色白がメバル、下の赤黒いのがカサゴで、分かり易いものを並べた。ちなみに、魚もとれた場所や餌によって、色はかなり違う。

だいたいの魚は外見のブスな方が美味しい。オコゼはその代表みたいなもので、キンキなんかは人間で言えば才色兼備で珍しい。だが、魚には旬がある。どんな美味い魚でも旬をはずしたり、産卵の後では味が落ちる。
魚だって一番美味しいときに食べてもらえれば、もっと喜んでもらえたかも知れない。そんな時に、たまたま味の分かる人に出会えなかっただけかもしれない。一つの考えは、魚が一番美味しい旬の時に食べてあげる。もう一つの考えは、その時その時の美味しさを愛しむように味わう。

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