のむけはえぐすり その8 朝陽門 ― 2006年09月09日 15時51分55秒
のむけはえぐすり 第25弾 原善三郎の話
その8 朝陽門
明治13年(1880)、善三郎52才、 商権回復のため外国商社と戦う
その年、貿易の実権が外国商人に握られ、日本側に不利な貿易慣行があることを、善三郎は大蔵卿に訴える。
例えば、初めの頃は、生糸を外国商館に運び込み、商館の雇い人に斡旋してもらい、取引契約を結んでいた。開港して15年も経っても、同じように手数料や荷造りの諸経費を払わされている。
生糸を持ち込んで、それから仮契約、品質検査、計量、支払いへと進む。故意に遅らせれば、本国の相場の動きを見極めることができる。値下がりすれば、平気でぺケにできる。品質が合わないとか、強度がないとか、理由はいくつかあって、そのための都合の良い検査も用意されている。
それに対する善三郎の提案はこうだ。生糸を一旦荷預所に保管します。外国商館には見本だけを持っていきます。それで良ければ契約して下さい。引き渡しは荷預所でします。そのために、聯合生糸荷預所を作らせてください。貿易が滞る期間、荷主達にお金を貸してあげて下さいというものだ。
初めは、地方の荷主も大賛成だった。当然、外国商人達の不買運動が始まる。やがて、在庫は貯まる、資金は回らない、貸してもらった金の利子が負担になる。
あちこちで不満が噴出し、掟破りも出てくる。挙げ句の果てには、善三郎は自分たちの利益だけでやっているのではないかとまで言われる。
どうにも動きがとれなくなって、「将来、共同で倉庫を建てましょう」と、イイ加減な落とし所で決着する。二ヶ月間で何も変わらなかったのが、聯合生糸荷預所事件である。
その時の騒動の一因になったのが、Bavier(バヴィエル)商会の、再線検査をする機器だ。何のことはない、引っ張って切れやすいかどうか調べる検査だ。かなり主観的な(?)結果が出る検査機器だったようだ。
外国商館で雇われていたり、外人相手の商売をしたりしていたのが、中国から来た人たち。中華街はそういう人達が住み着いてできた街で、もともとは外人居住区だった。 Bavier商会は、横浜76番。明治28年の「新撰横濱全図」で見ると、本町通の中華街の入り口にある朝陽門の近く、本町通沿いの横浜ユーロタワー辺りか? 背中合わせのシルク通に面した横浜96番は、重慶飯店のローズホテル。写真は、朝陽門である。
コメント
_ 麻婆豆腐 ― 2006年09月11日 18時00分44秒
ローズホテルの通りは、開港道でした。シルク道は開港道と本町通に挟まれて、ローズホテルに突き当たる道路でした。重慶飯店の友達に聞いてみると、ウチは山下町77で、ヤナセと一緒だったみたいですと言っていました。大きな敷地だから、77と96かな。
_ tommy ― 2006年09月22日 11時47分14秒
そうですネ! 麻婆豆腐さん言う「七十七番」はL字型でメインストリートに面している部分が多く、その後ろに「九十六番」が今のローズホテルの入り口側にあって、「開港道」は昔の「Honmura Dori」(本村通り)です。 この通りは前田橋(まいたばし)から来て喫茶店「elle」から交番を通り、ローズホテルに行を言っています。 ですのでローズホテルは「七十六番」も入っているのでは?と思うしだいです。ちなみにメインストリートのお隣さん、「七十五番」は当時有名な「薄荷屋敷」と呼ばれたサミュエルコッキングの屋敷で、武器商人として南部藩や明治政府と取引したり、東北特産のハッカで財をなしたので、居留地全体もそうですが、商売には「ツキ」のある良いエリアには間違いないですネ
_ tommy-Ⅱ ― 2006年09月27日 19時14分44秒
この時代に行ってみたいですですね! そうすると写真にチョット写っている北京飯店やピアノやベース・ギターのライブでジャズを歌わせてくれる「ジョージの城」などがある朝陽門の右側一体が「七十九番」ですね! 昔と道の流れ方は一緒ですが時代の変遷が良くわかりますネ。 となると門の左側一帯が「八十番」で、原善さんが活躍していた頃はまだ「教会堂」があったのではないでしょうか?で、1906年に教会堂は山手に移りましたけど、この教会堂を寄付したのが安政6年の開港当時から横浜にいるドイツ人のヘルマン・ルードウィッヒ・グラヴェルドさん。 貿易商を営んでいたので巻頭の記事の如く生糸で相当儲けたんでしょうね。 彼の息子は山手生まれでミュンヘン大学を出てから横浜に戻り、開業医となったのでお世話になった横浜市民も多かったでしょうネ。 お医者様っていつの時代も大変ですよね!!!
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